= 鈴木敏文語録 平成6年 祥伝社 = 
いわずと知れた名経営者である。語るもおこがましいのだけどいつも迷うことがあると、氏の本を開く。その時々に自分のこころにわだかまっていることによって、心にひっかかる言葉が違う。

○ 業績の差は「商売の質」の差である
流通業の本質はシステム産業であり、それぞれの企業がもっているトータルシステムのレベルによって競争上の差異が生まれ、業績の格差も生まれてくるのではないか。

たとえば以前は流通業の競争上の優劣は、一つには売り場面積の大小でつくというふうに言われてきたけども、その点日本の小売業種で一番面積の大きいのは、百貨店でありついでスーパーである。

ところが、これらのほとんどが、軒並み激しい業績不振に追い込まれている。これに対してわずか平均30坪しかない小さな売り場面積のセブンイレブンが不況にめげず業績をあげている。

これは単に売り場面積などという表面的なことが、競争上の優劣や商売の業績の差に直結するのではなく、商売の質ののレベルが決定的に違ってきているからである。そしてその質とはトータルシマネジメントシステムのレベルによって生み出されるものである。

*与えられた条件のなかでいかに徹するかだ。

○ 仮説検証から「おにぎり・弁当」の発想が生まれた
あいててよかったというコマーシャルのとおり、きわめて原始的なコンビニエンスの機能を世の中にアピールしたわけだ。いまのようにどこよりもはやく新品を入れることなどまったく考えていなかった。

だがスーパーマーケットとは関係なく、便利さを求める世の中のニーズに立脚させて内容を変え、さらに世の中の変化にどんどん合わせて改革していった。これをしてきたから今日があるわけで、昔もいまもセブンイレブンとう店であっても、その中身と内容は、全く変わっている。

*変わったことをやれといってるわけではない。おにぎりなんてありふれたものだ。おにぎりなんか家でお母さんが作って持たせるもんで、売り物にはなりませんよっていう反論がさぞや多かっただろう。

わが身を振り返って、会計事務所のおにぎり弁当はなにか?これが見つからない。

○ 集中化が企業戦略の中心課題
なぜ私が多角化を経営方針として取り入れなかったかというと
流通業の場合、その事業の業績が上がらない場合、その事業そのものが世の中の変化でニーズが無くなった、つまり需要がなくなったということではない。

業績があがらないのは、その事業のやり方の中身が、自己革新を怠ったために、世の中の変化について行けなくなったということが多いのである。

自分のやっている事業においてとことん世の中の変化に対応適用していく努力をするためにはあれもこれもといろんなことをやっているより 本業に徹していいるほうがはるかに効率がいいということになる。こういうことでわが社は多角化をしなかったのだ

往々にして間違いやすいのは、本来それぞれの業態内において改革に取り組むべきなのに、それを避けて新しい業態開発や、新しいものを複合的にやっての多角化と称する方向へ安易に走ってしまうということである。

あらゆる物事について、私はいまや集中の時代ではないかと思ってる。多角化などで分散をはかる時代ではないと、考えている。そこに業態内改革としての本当の意味がある。

*集中による自己変化。今にして思えばダイエーに対する痛烈なアンチテーゼであったのか。

TOPページへ戻る
現代の、あるいは流通の、カリスマ