あなたも よくぞ決心しまたしね。人にはどうしても万難を廃して、思い切らねばならない境地になるのです。 その決心はそのときしかできないのですね。
あなたに たいしたアドバイスはできないのですが、自分なりの計画があって自分なりの資金を用意していれば、まあなんとかなるといっていいでしょう。
わたしのささやかな経験を語りましょう。
今からもう17年前ぐらいでしょうか、20年ほどのサラリーマン生活ををやめて税理士生活に入ったのは。それから 2年ほど修行させていただいた池袋の会計事務所を辞めたときには、まだ殆ど関与先はありませんでした。
それなのに、事務所も借りて、従業員も入れました。 なれない名刺配りもやってみました。電話営業もやってみました。当然ですが、電話営業は駄目でしたね。税理士ほど営業の難しい商売はないなどと思っていました。
でも思いもかけない方からご紹介をいただいて人の情けが見に沁みました。だからいろんなことをやってもがかねばなりませんね。 情けをかけていただいた方々には、それ以来ずっと、盆暮れには感謝の品をお送りしています。
あんな不安な時代のことは忘れよう忘れたいと思っていたからか、よく覚えていないのです。どうやって食っていたのか、どうして関与先が増えていったのか。ぜんぜん増やす技術がないのだから 増えるはずがないのに。
新規起業者が何をさておいてもやらねばならないのは顧客名簿をどんどん増やすことに尽きますね。
売り上げさえあれば、理屈はあとでついてきます。
ドラッカーという経営者がどこかで書いていました。成功するためにはなにか簡単なことをいくつかやればいいと。わたしの場合は、タウンページ広告だったですね。NTTの営業の方が来られて、効果があるからやらないかというのです。
営業マンの言葉を鵜呑みにするほど素直ではなかったので、タウンページに広告を出していらっしゃる会計事務所に3軒ぐらい電話したと思います。そしたら どなたも優しく教えてくださいました。教えたくはないけど効果があるよと。それ以来ぽつぽつ問い合わせがありました。
タウンページさんには、長いことお世話になったですが、近ごろは駄目ですね。神通力が衰えたようです。もう掲載をやめようと思っています。無論 業種によっては今でも有効でしょうね。
そんな売り上げを増やしたい社長のために、最近 絶対おすすめの小冊子を作ったので、これを皆さんに役立てていただきたいと思っています。
料金表を作ったことも大事だったですね。おかしなことに、会計業界には今でも料金表のない事務所が多いみたいです。(私もそのうちのひとりでした) 遅れていますね。
会社によってかかる時間が違うので、一律に決めることはなかなか難しいことはあります。思い切って料金表を作ってこれ以外は受けないと割り切りました。そうしないとお客様同士が不平等になると思ったのです。大分安くして、高いとか文句を言われないようにしてあります。
料金表のない会計事務所はお客が来ないことを前提にしているんです。料金表があって初めてお客さんさあいらっしゃいという態勢になる。
それから事務所です。無謀にもすぐに事務所を構えましたが、これはやはり必要だと思います。人が集まるし、顧客候補様の信頼をえて成約率が高まる、自分の気持ちが追い込まれる。
そんな観点から絶対にとはいえないけど、かなり必要だ、と今は思います。
それと、弱者は長時間労働ですね。長時間労働をバカにする風潮がありましたが、あのころに女子ゴルファーの清元登子(きよもとたかこ)さんの記事がのっていたのです。清元さんはいまや不動裕里などトッププロを育てたことで有名ですが、彼女はアマ10年で8勝、プロ10年で8勝、44歳で引退した。
彼女の言葉として「私は20年間365日、練習を休んだことはありません」と書いてありました。その記事が妙に頭にのこり、記事の切り抜きは今でも手帳に張ってあります。休んでも休まなくても家賃はかかるから土日も働くぞ と悲壮な決心をしたものです。
関与先が大してないのに忙しかったのは不思議な気がします。業務能力やノウハウがなかったということでしょうか。
当時の事務所のお隣は雀荘だったので、昼間からよくじゃらじゃらという音が聞こえてきました。聞こえてる間はまだいいです。雀荘が終わってからも仕事をしているという状態は情けなかったです。
そういう、一生懸命さは天に通じるとか、人に通じるとかは、確信を持っていえることではないですが、ほかにやりようもなかったし、やはり天は見ているという気もします。